24節気 ‐ 秋 ‐

🍂 気象特徴と養生 

立秋

8月7日前後

陰気が盛り上がり始める時期

まもなく 実りの時を迎えます

“立秋之日涼風至”

実際には盛夏の余熱は冷めず

炎熱の気候はまだまだ続きます

“立秋の養生は養肺”

 陽盛から陰盛に

陽盛陰長の過渡期

万物が成熟し収穫される季節です

延年益寿を目的に体を養いましょう

 

“秋気は肺を通る”

“肺は気の海、人の根”

呼吸器疾患の予防のため体を

環境変化に順応させましょう


朝夕涼しくなるにつれて

1枚多く羽織るようにしてください

秋といってもまだ暑いので

気候に応じて調整をしておくと

皮膚と鼻粘膜が次の季節の寒さに

耐えられるようになります

下痢をしやすい季節です。

特に腹部を暖かく保って下さい 

 

空気が乾燥する季節に向かいます

ノド・鼻粘膜・皮ふの乾燥や便秘など

秋特有の乾燥症状がでやすくなります

飲食調養は和食のようなあっさり

した食事がおススメです

乾燥予防に白湯・お茶(濃くしない)

牛乳・豆乳などを普段よりも飲み

ゴマ・ハチミツ・豆腐・ブドウなど

で滋陰生津し体の潤いを保ちます

香辛料・生姜・お酒は熱性食材です

体を乾燥させやすいため控えめに。

秋が終わりに近くづくと精気封臓し

始めるため滋補の食材を吸収しやすく

鶏肉・鴨肉・魚・卵・赤身の豚肉・

ナツメ・クルミなど高たんぱく

低脂質の食材を増やしましょう

延年益寿の助けになります

 

秋は地気が下りてきます

自然界の陽気は発散から収斂へと

早寝早起で肺気の舒長をします

よく換気し、就寝時は布団から

顔を出しておきます

収斂の気に応じ睡眠の充足、

神志覚醒し呼吸器感染、めまい、

疲労を回避します

 

これから先の寒い時期に耐える体を作るため運動して体を鍛えましょう

気候に応じた適度な運動量と

水分補給をして下さい

処暑

8月23日あたりからの2週間

処=身を隠す

暑さが終わりに近づく季節

秋の涼しさには程遠いのですが

“秋老虎” は立秋を過ぎた暑さのことをいい、真夏とはちがってきます

“処暑の養生は睡眠”

体の陰陽も盛衰の変化を始め

仕事と休みのバランス調整も

季節に順応させてください 

 

“少寝乃老人之大患”

秋は早寝早起で良眠し養生効果が

高まります

正常な睡眠で正常な生命活動が

得られ、年齢を重ねるごとに

大切になります

 

夜はしっかり睡眠をとり

昼間は少し昼寝をすると

疲労が和らぎます


処暑は清熱安神の食材がおススメ

ゆり根・ハチミツ・貝の干物・わかめ

セロリ・ほうれん草・ゴマ・豆・

乳製品など


秋の美容

風が強く埃の多い季節

肌の露出は水分蒸発につながり

小じわのもと

お肌のケアが必要な時期です

 

アルコール分の多いスキンケアは

乾燥を加速します

湿度により基礎化粧を変えましょう

 

まだまだ紫外線が強いです

UVカット効果のあるお化粧品を

選んでください

 

乾燥したお肌にはしっかりと

保湿が必要です

1週間に1度くらいのペースで代謝促進と血液循環を良くするためにマッサージやパックをして下さい。

 

多めに水を飲み豆乳・牛乳などを取り入れます。

新鮮な野菜や果物、魚、脂肪分の少ないお肉をしっかり食べてください

乾燥予防にゴマ・クルミ・梨など

の滋陰潤養食材を取り入れ

タバコ・お酒・コーヒー・

濃い目のお茶・揚げ物

は控えめに、乾燥が加速します。

 

白露

9月7日あたりからの2週間

典型的な秋の季節に入ります

気温は涼しく空気中の水分は夜になると草木の上に白い梅雨となり現れます

渡り鳥たちは越冬し

動物たちは冬眠の準備です 

“白露の養生は秋燥予防”

白露は典型的な秋の気候です

“秋気”は 津液(正常な体液)を

消耗させ口渇・口唇・鼻粘膜

ノド・便の乾燥を招きます

秋燥予防にビタミンをたくさん摂ってください

 

漢方薬では宣肺化痰・滋陰益気

作用を持つ人参・沙参・西洋人参

百合・杏仁・川貝母がおススメです

 

そのほか、体を鍛えておくことも

予防につながります 


実際に涼しくなっていく時期です

 鼻腔疾患、喘息、気管支疾病の

発病予防が必要です

特にアレルギー体質の人は

飲食調養は大切です

 

普段から太刀魚・カニ・エビ・

ニラ・胡椒などの魚介類や

辛辣な食品塩辛いも食品、

すっぱい食品、甘いもの、

油ものを控えて

ビタミンを多く含み、

消化しやすい食品、淡泊な食品を

多く摂取してください

 

 特に、秋は季節の変わり目で栄養価の高い食品が疾病予防に役立ちます


秋分

9月23日前後

“秋分者、陰陽相半也。

故昼夜均寒暑平”

春季90日、南北半球の昼夜は同じ

さわやかな秋気が入りこみ

雨のたびに気温が下がります

“秋分の養生は陰平陽秘”

自然界は熱から寒に移行し“陽消陰長”

体を順応させなければなりません。

秋の養生は“収養”

体内の陰気を一定に保つため

滋陰潤燥の食材で乾燥を防ぎ

陰液損傷防止をします

おススメの食材は

銀杏・梨・ゴマ・蓮根・ほうれん草

豆乳・卵・ハチミツなど

 

“少辛増酸”

辛いものを少し酸っぱいものを多めに

食べましょう

辛はネギ・生姜・ニラ・ニンニク・ラッキョウ・胡椒です

酸は果物のリンゴ・ザクロ・ブドウ

柚子・レモンなどです


“ 虚則補之、実則瀉之”

“寒者熱之、熱者寒之”

飲食調養の原則

 

陰平陽秘は万人に当てはまるわけではなく陰気不足・陽気有余の高齢者に大補の品は避けなければなりません

 

成長過程の小児も理由なく補いすぎを避けます

痰湿体質の方は油ものこってりしたものを控え

ストレスをためやすい方は辛辣なものを控えてください

皮膚病・喘息の方は海産物を、

胃が冷えている方は刺身などの生冷の食べ物を控えるなど

その人に合った調養が必要です。

寒露

10月8日前後からの2週間

気候は暑から寒に

万物は寒気の増長に従い

だんだん粛落します。

自然界では陽衰陰盛がとなり

生理活動も変化してきます

“寒露の養生は収養”

“春夏養陽、秋冬養陰”

気候は冷に変わり始めます

体の陽気は収斂し、陰精は内に潜み

陰精を保つことを考えます

 

調養を間違えると

一連の秋燥の症状が現れます

飲食調養は滋陰潤肺をします

これまでの秋の養生に加えて

もち米・ゴマ・ハチミツ・乳製品

などの柔潤の食品を増やします

鳥肉・鴨肉・牛肉・豚肉・レバー・

魚介類・長芋など体質強化する食材も

取り込みます。

辛辣な食材は控え目にして下さい

陰精を消耗します。


この季節はさわやかなので生活時間も調整し早寝早起き

早寝は陰精収蔵、早起は陽気舒暢

血栓予防によいとされています


“のぼせ”の予防

秋はのぼせが出やすいです

予防には規則正しい生活をし

休息もしっかり取ります。

食事は定時に定量をして

暴飲暴食はしない

 

“清火”の食材

緑黄色野菜・キュウリ・みかん・緑茶などを取り入れ

過度のストレスを避け辛辣な品、

飲酒、喫煙は避けてください

 

霜降

10月23日前後からの2週間

 霜が降りる季節

この時期を過ぎると冷え込みが

強くなりだします

“気粛而凝、露結为霜”

秋の深まりを感じます

“霜降の養生は防寒”

秋が深まる季節。気温は徐々に低下し日ごとに寒気が入り込みます

裸でいると受涼してかぜをひいてしまいます。

 

涼は免疫力を低下させ

呼吸器疾患を引き起こします。

関節に入り込むとマヒや

痛みが出てきます

 

気温に応じた服装

寝具で早めから冷えを防ぎましょう

 


ウリ科の食材は控えめに

立秋以降はウリ科の食材をたくさん食べると胃腸が冷されてしまいます