24節気 ‐ 夏 ‐

🌞 気象特徴と養生 🌊

立夏

5月6日前後

 春にお別れし、夏を告げる時

気温が上昇し雷雨が増え

農作物が生長する重要な節気

古代中国では迎夏の行事があり

この日にお茶をのむ習わしがあります

“立夏の養生は心の保護” 

まもなく炎熱の季節を迎える

気温や湿度はぐんぐん上がり

植物は生い茂り、体は倦怠感を感じ

暑さを嫌がります。

 

生理活動の中心は“心”

“心為一身之主、臓腑百骸皆聞命于心、

故为君主。心臓神、故为神明之用”

心の解釈は、循環器と脳

生理機能と意識、感情を支配します

 

心は夏気に通じ心陽は夏に最も

旺盛になり機能を最大限発揮します

 

行き過ぎた感情を持つと傷心する

ため、常に感情を落ち着かせる

必要があります

傷心することで感情のコントロール

が出来なかったり、暑さに負けて

しまいます

 


 夏は常に薄着になるので健常人も

外感予防は必要です。

エアコンで冷える前には織物や

ひざ掛けで冷えないように、

就寝時も気温に適した寝具を

使ってください

 

風邪を引けば、ひどくなる前に

生姜湯、お風呂など工夫して軽く

汗をかいて休んでください。

 

高齢者は心臓発作に注意して

朝は少しの玉ねぎ、夜は少量のお酒で

気血暢通してください。

食事は塩分控えめ、繊維質をたっぷり

和食中心にしてください。

 

小満

5月21日あたりからの2週間

“斗指甲為小満、万物長于此少得満、

麦至此方小満而未然熟、故名也”

大麦・小麦などが実を結び粒が

成熟する(満)までと少しという節気

降水量が増え始めます

“小満の養生は清利湿熱”

あめあがりには気温が急激に下がります

風邪をひかないように注意が必要です


“邪気中経、則身痒而癮疹”

邪気が経絡に入り込むと蕁麻疹

を起こし体が痒くなります

 

蒸し暑くなると皮膚病が

出やすくなります。

皮膚病がある人は

食療養で予防しましょう

 

和食中心のあっさりした食事が

おススメです

 

小豆・ヨクイニン・緑豆・冬瓜

キュウリ・スイカ・セリ・きくらげ

トマト・大根・スイカ・長いも

白身魚など清利湿熱の食材

を中心にとりましょう

 

油もの・甘いもの・生もの(刺身)など

助湿の食材は控えめにしてください

 

生葱・生のニンニク・胡椒・桂皮・

ウイキョウ・韮・魚介類・牛肉

羊肉などの酸渋辛辣で性温の食品や

揚げ物、燻製も控えめにしてください。

 

 

 

芒種

6月6日あたりからの2週間

あわやキビなどの穀類の種まき時 

芒は稲のように先の尖った実を

つける植物のことだそうです

夏らしくなるとともに

カビの発生時期です

“芒種の養生は気機宣暢” 

精神調養は怒らず憂えず楽しく過ごす

 

生活面では日照時間に合わせて

遅寝早起

遅寝といっても夜更かしは禁物です

日焼けを防ぎます

自然界の陽気の充盛に順応し気血

の運行を整え精神を興奮させる。

夏は昼が夜よりも長いため疲労しやすくなります

昼寝をして体力を回復させます


芒種を過ぎると昼間は暑く

汗をかきやすくなります

 

 

 汗をかいたら着替えをし、

シャワーをして陽熱を発泄させ、

体にこもった熱を逃がします

シャワーができないときは

濡れたタオルで拭ってください

熱中症の予防になります

 

シャワーをするときは汗が完全に

ひいてからにして下さい。

汗をかいている途中にシャワー

をすると体表の湿と汗として排泄

できなかった熱が結び付き

湿疹の原因になってしまいます

 

 


夏至

6月21日前後

 “長”

非常に重要な節気であり節目です

一年のうちで陽気が最大級かつ

陽気が衰え始め陰気が芽生え始める時

一年で昼間の時間が最も長い日です

“夏至の養生は陽盛に順応”

夏は太陽のようにイキイキのびのびと

気の流れが良くなります

この流れに逆らわないように

楽しく生活しましょう


食養生

 

酸味=固表

収斂して汗のかきすぎを予防

鹹味=補心

塩分でミネラル補給

 

酸っぱいもの塩辛いものを

適度に食べましょう

梅干しは最適です

スイカ・緑豆・梅・小豆などで

解渇消暑し、生冷食の摂りすぎに

気を付けてください


気温が上がるだけで助陽されます

イライラするとさらに助陽し、

湿度の上昇とともに胃腸機能が衰え

余分な水分をため込みやすくなります

体にこもった湿熱が皮膚病など

の原因を作り出します

 

この時期は清熱化湿で

乗り切りましょう

小暑

7月7日前後からの2週間

 “熱在三伏”

夏の酷暑を表す言葉です

木々の緑は深く濃く

暴雨の多い季節です

南方では台風が発生します

“小暑の養生は平”

気候は炎熱

心煩不安・疲労乏力しやすくなります

平静を保ち心気旺盛を維持してください

 

“喜怒不節則傷臓”

情志と肉体は密接に関係し一定の規則

があります

“平”=行き過ぎた感情を持たない

体への影響を減らせます


暑さが本格的になると

胃腸障害が起こりやすくなります

飲食不節・飲食不潔・嗜好の偏りなど

を改め飲食調養を心がけてください

 

食事量は適量を

食中毒を避けて

偏食嗜好は改めて


五味と五臓の対応

酸入肝・苦入心・甘入脾・鹹入腎

長期的に嗜好が偏ると

臓腑機能の偏盛偏衰を生じます

鹹味の偏食は血脈凝滞・面色無華

苦味の偏食は皮膚乾燥・産毛脱落

酸味の偏食は皮膚厚化・口唇乾燥

甘未の偏食は骨骼疼痛・毛髪脱毛

 

大暑

7月23日前後からの2週間

 一年で最も暑い時

木の葉は日差しを受け輝きます

炎熱

酷暑多雨

発雷好発

“大暑の養生は水”

暑湿は虚に乗じて侵入してきます

子供・高齢者・虚弱体質の人は

熱中症に注意が必要です

 

少し体がだるいなという程度の

時は早く手当てをしてください

風通しの良い場所もしくは

冷房の入っている室内に移動し

薄めた塩水や梅酢、スイカの汁

を飲んで休んでください

 

重症の時は救急車を

呼んでください

 

水分を多くとるこの時期は

こまめな水分補給で予防ができますが

水分をがぶ飲みすると中毒を起こします


カリウム不足を防ぎましょう

バナナ・柑橘類・スイカ・ブドウ

長芋・枝豆・長ネギ・トウモロコシ

緑豆・大豆・ノリ・昆布・鶏肉・牛乳

に多く含まれます

これらを積極的に取り入れましょう

 

特にオレンジなど果汁を持つ

食材は、水分補給も同時にできます