24節気 ‐ 春 ‐

🌸 気象特徴と養生 🐤

立春

2月4日前後

春季の開始

寒い時期ですが、地氷が解け始め

春の到来で万物は

一斉に芽吹きの準備を始め

温蔵していたものを生気へと変えます

“立春は精神養生”

怒・鬱を戒め心情を舒暢させます。

前向きで楽観的な気持ちで

過ごしましょう

 

春は“肝木

木の物性と肝は類似する特性

を持っています

気血を舒展暢通(のびやかに)

させると健康に過ごせます。

 心身ともに自然変化に順応させるため

早寝早起で精力を充満させます

前向きな気持ちで美しい春の光を

受けると肝に対して有効です


万物の芽生えに順応しましょう

 

“春不滅衣、秋不加帽”

“冬不蒙首、春不露背”

温かくなってきた地域でも、服装は冬のままで外見より体を大切にしてください

春は皮膚の痒みが出やすい時期です

リラックスでき、保温性、吸湿性のある

綿やシルクなどの素材がおススメです

屋外に出る機会も増えてきます。

靴も動きやすいものを履きましょう

 

新陳代謝が活発になり始めます

過食は消化機能を低下させます

あっさりしたものを食べましょう

タンパク質・糖質・ビタミン・

ミネラルを含む赤身肉・卵・牛乳・ハチミツ・豆製品・新鮮な野菜・果物などの食材をとりいれて、

消化の悪いパスタやもち米、刺激物などは少し控えめに食べましょう

 

きれいな空気をたっぷり吸いこみ、

冬にため込んだものを吐き出しましょう。

花粉などのアレルギーの季節に備えて

運動で体を鍛え免疫力を上げましょう

 

 

雨水

2月18日あたりからの2週間

“斗指妊为雨水,动风解冰,

冰雪皆散而为水,化而为雨,故名雨水

気象上の春の始まりです

氷雪は解けて水となり気候は温かく

降水量が増え始めます

“雨水の養生は規則正しい生活” 

天候が不安定 で健康への影響が

大きいです。

日常生活を規則正しくして

体のリズムを自然変化に順応させ

ながら健運脾胃をします

 

“春七十二日、省酸増甘、以養脾気”

春の飲食は酸味を少し、甘味をたくさん取り入れると脾気を補えます

(たくさん食べて活動のための元気

を養うことです)


感染症予防をしましょう。

暖かくなるにつれ風が乾燥を招き

皮膚・口唇の乾燥、口渇が現れます

野菜や果物をしっかり食べて

水分補給をしましょう。

油ものやしつこい食べ物は少なめに。 


免疫疾患に注意

くしゃみ・鼻水・皮膚掻痒などが

出始めます

春は免疫系疾患の高発期です

アレルギー・喘息・皮膚炎・咽喉炎・皮膚硬化症など難治性疾患の発作

再発しやすいです

水分、ビタミンA・Cの補充で予防を。

暖春は更にアレルギー予防が必要です


精神異常に注意

自殺・喧嘩・酔っ払いなど

春季の日照と気温上昇が情緒と関係

 

春は気候変動が激しく情緒の波動も比較的早いため煩躁不安がでやすいです。

気候変化に敏感な人は倦怠、疲労、

健忘、集中力散漫、作業効率の低下・

睡眠不足・片頭痛・食欲低下・易怒

などの症状が現れます

“気象病“ “文明病”も言われます

 

普段正常な人でも情緒不安がでやすく

気持ちが不安定になれば、運動や音楽などで不良情緒をなくすよう

注意してください

啓蟄

3月5日あたりからの2週間

地中に冬眠していた生き物が

温かさを感じ土から顔を出す季節

といわれます。

実際には虫たちはまだ眠っています

気温変化の激しい時期です 

“啓蟄の養生は補陰潜陽”

冬に蓄えた陰を上手に使いましょう

 

  食養は養肝が原則です。

タンパク質・ビタミンを含む

食品をたっぷりと、

動物性脂肪を少なめにします。

消化能力に個人差があるので

一度にたくさん食べられない人は、

少量を何度かに分けてください。

しっかりと栄養を取り込むこと

が大切です。

新鮮な果物も有効です。

 

鴨の血は栄養豊富、貧血に良いです。

なかなか手に入らないので

鴨肉や鶏レバーで代用しましょう。

補肝に最適です。

 

ほうれん草

滋陰潤燥し、舒肝養血します。

 

スープにほうれん草と赤身の血肉を

加えると簡単に養肝できます。

 

清理肝胆邪火の食品で解毒しましょう

アロエ・山芋・ハスの種など


薄着はまだ先

 

気温変化が頻繁にあり春寒があるため

 “春悟”(春は厚着する)

特に高齢者は注意が必要です

寒暖差に合わせて調節してください



春分

3月21日前後

“春分者、陰陽相半也。

故昼夜均寒暑平”

春季90日、南北半球の昼夜は同じ

雨量が明らかに増え気温も安定し

日差しもまぶしくなってきます

“春分の養生は陰陽平衡の維持”

立春から晴明節くらいは

草木は生長し芽吹きだします。

人の代謝も活発になりだし、

血液循環が良くなりだします

高血圧・月経失調・痔・アレルギー

などが起こりやすいです


飲食調養の注意は体調に応じ、

偏熱・偏寒、偏昇、偏降に

ならないようバランスをとります

 

魚介類などの寒性食品には、

ネギ、生姜、酒、酢など

温熱の薬味や調味料を使用して

食後の胃腸障害を予防します

 

体調不良の予防には

体に合うように食材の性質を知り、

調理段階で食材の性質を変化させる

他の食材を合わせることが基本です。

ニラ・ニンニク・パパイヤなど

助陽食材は卵やみそなどの滋陰食材と

組み合わせて下さい。


リラックスして楽観的に

精神状態を安定させます

運動、決まった時間の睡眠と食事

調養目的で生活に養生を取り入れると

快適に過ごせます

清明節

4月5日前後からの2週間

天は清く、地は 明るい

ことが由来だそうです

太陽は黄経15度、北に傾き

草木は茂り、寒さは枯れはて

万物は生気に満ち溢れます

“清明説の養生は心肺機能の鍛錬”

温かさが感じられると体表が緩み

五臓六腑は潤い伸展する

高血圧の人は養生湯(漢方)を飲み

臓腑機能を安定させてください。


春の行楽を楽しみましょう

気温変化は穏やかで昼夜の気温差も

少なく、日中の気温が上がります。

四季を通して体の均衡・調和が

とれる季節、外出を楽しみましょう

 

野山には緑が広がります。

深呼吸をして酸素を体内に取り込み

体を動かしましょう。

新陳代謝を促して血液循環の改善

心肺機能の増強をします

大脳の機能や活動が活発になり

心理的なバランスと満足感が得られます

 

春の日光浴は紫外線の殺菌作用で防病健身に役立ち、カルシウムやリンの吸収を高めて骨粗鬆症予防にも役立ちます

 

緑の中を日を浴びて運動すると

陰陽調和・気血順暢し

気持ちの安定に繋がり睡眠の改善や

過剰エネルギーの消耗(ダイエット)

ができます

寒い場所と疲労に注意してください

穀雨

4月20日前後からの2週間

 “雨水生百穀”

“清明断雪、穀雨断霜”

穀雨の後は気温上昇が早く

雨量・湿度が増え穀物栽培に適します

苗は潤された土地で生長します

“穀雨の養生は外環境に順応する”

“人以天地之気生、四時之法成”

人は天地の間に生まれ

自然界の変化に影響されます

気温湿度が高くなりだすこの時期は

体の内部環境と外界自然環境の

調和が生理機能を上手に保ちます。


一年で体が衰えている時期

ですが、胃腸機能は活発です

補気血に適した食事で

次の夏の暑さに負けない体を

作りましょう

 

夏の体の基礎を安定させるために

進補の食材は“川魚”がおススメ


養生の注意点

気温上昇はあるものの朝晩は

冷えたり、雨が降ることもあります

早朝・深夜の移動時は調節できる服装で

風邪を予防してください

 

アレルギーの人は花粉症、鼻炎、喘息

を予防するためにアレルゲンを避け、

高蛋白、高カロリー食を少なめに

あっさりとした食事をして下さい

皮膚湿疹の人は皮膚を清潔にし、

清熱解毒・養血潤燥作用のある

湯剤の併用がおススメです