安易に使われる葛根湯

気温も夜間は一桁に下がる日が続いて寒くなりましたね。

カゼをひいてしまった方も多くいらっしゃるようですね。

以前にこちらに通われていた方が、風邪をひいたと言って来られました。

現在妊娠6カ月、安定期に入っておりご本人も薬に対して警戒感がなくお話していると、「知り合いの薬剤師が葛根湯を勧めるのですが飲んでもいいですよね?」『?』

また、産後の初めての授乳時にお乳が出ない場合に『葛根湯』の服用で乳汁を出すことを勧める産婦人科の医院もあるそうです。『?』

漢方は安全・安心と思っておられる方も多いですが、漢方こそ無知の使用は状態を悪化させる薬です。

 

妊娠期に麻黄製剤(麻黄の入っている葛根湯や麻黄湯などを指します。)を服用することで体内のものを外に発散させる作用があります。

風邪であれば汗とともに寒邪を外に出すと考えられていますが、妊娠期には大切なものまで外に出してしまう可能性がありますので、十分慎重に使用してください。

また、乳汁分泌についても発汗作用を逆に利用しているそうですが、出産後の体は非常に体液が不足している状態です。ましてや、これから授乳させることにより母親自身の体液をお乳として与えるのでさらに体液が減っていく段階です。

そこに発汗作用を持つ薬を投与すれば体力低下を招いてしまいます。

産後の不調は、周りには分かりづらいものだそうです。

 

漢方だから大丈夫と思わず、正しい知識を持って薬の選択をしていただきたいものです。